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歴史に彩られた黒島の風景
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つ。黒島は平戸藩の領地で、江戸後期に畑地開拓ための政策によって生月島や大村藩の外海から多くの開拓民が移住。新集落7つのうち、日数、根谷など6集落は潜伏キリシタンの集落だった。本村集落の庄屋屋敷では絵踏が行われたが、彼らは興禅寺の檀家となりながら密かにマリア観音像に祈りをささげて信仰を続けた。長崎・大浦天主堂の信徒発見の2カ月後、黒島から潜伏キリシタンの指導者(水方)を代々務める出口吉太夫など20名が大浦天主堂を訪ね、600人の信者がいると告知。数々の迫害を経て、明治5年(1872)に島内信者全員がカトリックに復帰。現在島内には、カトリック黒島教会をはじめキリシタン関連史跡が数多く残っている。