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沖にロクロ島を眺める頭ヶ島の白浜集落
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つ。頭ヶ島は、「上五島」と呼ばれる五島列島北部にある周囲約8kmの小島。急峻な海蝕崖が連続する地形で、潮流の激しい孕[はらみ]瀬戸に架けられた頭ヶ島大橋で中通島と繋がっている。江戸後期に大村藩の外海地域から開拓民が移住し、白浜、田尻、浜泊に集落を形成。潜伏キリシタンであった開拓民は人の近づきにくい頭ヶ島で、仏教徒を装いながら密かに信仰を維持。明治初期のキリシタン弾圧「五島崩れ」では多くの人々が拷問を受けた。現在は、カトリック頭ヶ島教会(頭ヶ島天主堂)をはじめ、潜伏キリシタンの指導者屋敷跡(仮の聖堂跡)、カトリック共同墓地などが歴史を物語っている。外海の石積み技術を駆使した垣根や採石場などの集落景観は、国の重要文化的景観「新上五島町崎浦の五島石集落景観」にも選定されている。