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中江ノ島は上陸禁止
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つ。平戸島北西岸の沖合2km、生月島と平戸の間に位置する中江ノ島は、東西約400m、南北約50m、標高約35mの無人島。禁教初期の元和8年(1622)に、平戸藩によって田平で処刑されたカミロ神父の布教を助けたヨハネ(ジュワン)坂本左衛門ら4人のキリシタンの処刑が、2年後には家族もこの島で処刑された。平戸地方の潜伏キリシタンは、殉教地である島を「サンジュワン様」と呼び、死者の顔も島に向けて埋葬するなど、聖地として拝んだ。「サンジュワン」は、キリストに洗礼を授けた聖人・洗者ヨハネのポルトガル語読み。洗礼や家の祓い、病気直しのため聖水は、この島の岩間からしみ出す水を採取したもので、「お水取り」の儀式を行って得たもの。島への上陸は不可で、見学は生月島のクルスの丘公園からがおすすめだ。